天然酵母?いいえ天然の酵母です。
初めから何を言ってるのかよく分かりませんが
時々お客様にきかれます。
こだわりのパン屋さんの定番的こだわりとして
うちは天然酵母です!とよく聞きます。
お客様も天然酵母でないとおいしくなく、また
安全ではないと思われてるみたいです。
では天然酵母とはなんぞや?天然でないものとはなんぞや
との疑問から調べますが、定義が曖昧でよくわかりません。
一般に天然でないものはイースト、科学的に作られ身体に悪い添加物
もしくはそのものと思われてるもの。
天然酵母とは野生種の酵母で自家培養もしくは何とか酵母と
いわれてる物。
と言う風に思われているみたいです。
では結論からのべますが、
天然でない酵母は存在しません!
また、イーストとは酵母の総称であり特定の酵母、物質の名前ではありません!
では何故天然酵母という言葉がもてはやされてるのか?
もともと酵母には沢山の種類がありますが、長い歴史の中
色々な食品にあった酵母が使われ培養されてきました。
パンにはパンにあった、みそ醤油にはそれに合った麹菌というふうに。
ただ発酵食品である以上、使う酵母や発行条件で食味が変ってきます。
パンには一般にイーストといわれてるサッカロミセスセルビシエといわれる
酵母が使われてますが、複数の酵母(大気中や植物等沢山います)を使う
ことで醗酵の旨みに幅を持たせ食味を良くさせる為に自家培養もしくは
それ以外の酵母を使うのがひろまりました。
それならそれでいいのではないかと思うのですが、問題は
ある特定の人々にとっては 天然=正義 イースト=悪
となっているから話はややこしいのです。
ある食事療法(僕自身科学的な根拠もなく思想的なものと考えてます。)を
勉強?(思想?)されてる方から、お宅はイーストを使ってるから陰ですね!
天然酵母は陽なんですよ~(だから陽のものを食べろといってるのか?)
思想的に陽と思ってるものと陰の違いが、豚と猪の違いまたは鶏とアヒルの違い
でしかないのに意味が分りません。
それどころか、中にカラスがまじってるのが、いや狼がいるのが陽なのか?
このことについて少し調べたのですが、その食事療法思想では
ナトリウムが多い物が陽!カリウムが多い物が陰!とされるみたいですが、
どちらも生物の生命維持に必要な金属ミネラルで、特にカリウムは
神経伝達に必要で人間の身体に4~5番目に多い元素です。
植物においてもカリウム欠乏は成長に障害をもたらしかれてしまいます。
ちなみにナトリウムが多い食品は、醤油や肉でその食事療法では摂取を
控えるもしくは採らないと考えてるみたいです。
こういった理由から僕自身、療法ではなく思想と考えてます。
思想を広める場合、外に敵を作ったほうが思想の団結もしやすいので、
ありとあらゆる敵を作ってるみたいです。
酵母メーカーやパン業界もこの思想に乗っかって一気に広まりました。
問題なのは酵母ではなく使い方にあるのにもかかわらず。
実際、発酵食品の世界で自家採取もしくは天然でなければいけないもしくは
身体に良くない(実際は遠まわしに巧妙に言ってますが)といってるのは
パンだけなのです。
酒も味噌もチーズも純粋培養した酵母をつかいます。
自家製酵母の場合、酵母そのものを純粋培養できればいいのですが、
どうしても細菌が混入する為、醗酵が不安定になり食味に雑味が
多くなり素材の風味を殺してる場合も多くなります。
例えば乳酸菌系の酵母の場合乳酸醗酵、つまり酸を出して醗酵する為
生地がすっぱくなります。
この酸味は爽やかなものですが、中には細菌による腐敗(硝酸)がふえて
すっぱくなってるものもあります。
この酸味はえぐみといえる酸味で、本来天然酵母は身体にいい
と言う建前とも相反しています。
硝酸イオンは発癌性物質といわれてます。
話は長くなりましたが酵母は作りたいパンに合ったものを使えばいいので
自家採取の酵母でおいしいパンを焼くパン屋さんもたくさんありますし
またイースト(純粋酵母)でおいしいパンを焼くぱんやさんもあります!
その逆もまた、天然で身体に優しいと宣伝して、イーストフード(十数種類の
添加物の総称で中には臭素酸カリウムと言った発癌性物質も)を平気で
使ってるものもあります。
バターや牛乳等の乳製品不使用とうたってコンパウンド(マーガリンやショートニング)
等の低質な植物性の加工油脂を大量にぶち込んでる場合もあります。
アレルギーがあるのであればしょうがないですが、コンパウンド等は
心筋梗塞や循環器系の病気の原因になる脂肪酸が多いので摂取を
控えた方がいいのですが。
消費者の方が安全に対する知識(正確な)と安全な美味しさ、(科学的に
作る香料や化学調味料、添加物)に気付く手助けに
なればと思います。